手軽な和食薬膳

おいしく食べて「健康」「きれい」を目指そう

和食薬膳というと、面倒、難しいなどと思われがちですが実は、そんなに特別なものではありません。昔からどこの家庭でも「冷ややっこ」には決まって薬味にショウガを添えます。ショウガは、身体を冷やす効用がある豆腐と一緒に食べることで身体を冷やすことを防ぎます。刺身に添えてあるワサビには、解毒作用があります。ほかにもゴマ、梅、大豆など和食薬膳の材料になる食べ物には、さまざまな薬効があり、食べ方によってそれらが助長されます。
一般の家庭で食べている野菜や果物には、どのような効用があるのか記しておきますので、ぜひ、参考になさっておいしく食べて「健康」「きれい」を目指してください。

きゅうり・・・
ビタミンB、C、カリウムの成分であるので、身体を冷やす働きがあり、むくみ、健胃、整腸、二日酔いによいといわれている。
トマト・・・
アルカリ性、ビタミン、ミネラルが主成分で、健胃、高血圧、解熱、肌を整えるのに効用があると言われている。特に、完熟トマトは血を清潔にし、脂肪やタンパク質の消化を助け、高血圧や二日酔いなどに効用があるといわれている。
キャベツ・・・
ビタミン、ミネラルが主成分で、健胃、整腸、風邪の予防、疲労回復に効用があると言われている。キャベツの生汁を飲むことで胃、十二指腸潰瘍に効用があるといわれている。
ピーマン・・・
代表的な緑黄野菜で、ビタミンA、C1、B1、B2、カルシウムが主成分で、成人病の予防、整腸、疲労回復、便秘、夏バテに効用があるといわれている。
ニラ・・・
身体を温める働きがあり、その主成分にビタミンA、B2、C、カルシウムなどがあるので夏バテの防止、血液の循環をよくするといわれる。また、風邪の予防、健胃、貧血、生理不順、冷え症、便秘などにも効能があるといわれる。
レタス・・・
身体を冷やす働きがあり。その主成分にビタミンA、B1、C、E、カルシウム、鉄分などが含まれていて浄血、便秘、不眠、吹き出物の防止をするといわれている。特にビタミンEは、血液の循環をよくすることで浄血作用が生まれ、体内にある脂肪の酸化を防ぎ、老化防止に効用があるといわれている。
ナシ・・・
身体を冷やす働きがあるため解熱、咳、便秘、消化促進、風邪による熱やのどの渇きなどに効用があるといわれている。また、肉料理の消化促進を助ける働きをする。
モモ・・・
便秘、滋養などの効用があるといわれている。モモの葉を風呂に入れると湿疹に効くといわれている。
ゴマ・・・
滋養強壮、解毒、虚弱体質、便秘によいといわれている。
ハト麦・・・
利尿、鎮痛、リウマチ、サメ肌によいといわれる。
梅・・・
解毒、食欲不振によいといわれる。

食べ物、食べ方を考えて食べる

簡単な和食薬膳のレシピをご紹介する前に、漢方薬とその効能について少し記します。めまいや頭痛、腰痛で困っている人には、ビタミン、カルシウム、リンなどが含まれている「クコ」を炒め物にしてたべると滋養、強壮作用で緩和したり予防したりできると言われています。食欲不振、腹痛、消化不良などで困っている人は、「薬用人参」を煮込みにして食べると各種ビタミン、粘液質、糖分などの成分によって症状が改善されるといわれています。
2007(平成19)年、高齢化率が21%を超え、超高齢社会に入りました。健康食志向が高まるなか、「おいしい」を優先させる時代は、終わりを迎えました。これからは、病気を防ぎ、身体の不調を改善し、健康を維持・増進させていく食べ物、食べ方を考え日々の暮らしに取り入れていく時代です。和食薬膳が、みなさんの健やかな暮らしを支えるものとして末永く愛されていくことを願っています。